そんなに熱心な読書家ではないけれど、本を読むのは好きな方です。
ただし「流行の本」は読む気になりません。
別に気取っているつもりはなく、流行を馬鹿にしているわけでもないのですが。
流行は世間に任せておけばいいや、というのが基本スタンスです。
学生の頃は、「文学史」として覚えた作品を実際に読んでみよう、と思うことが多かったです。
そんな感じで、近代日本文学は今でもたまに読みたくなります。
読んでいて良いなと思うことが多いのは、夏目漱石、志賀直哉、永井荷風、横光利一、といったところ。
何だか王道ばかりですね。
今日は本棚を見てパッと手に取ったのが横光利一の短編集。
岩波文庫の『春は馬車に乗って』『機械』『蠅』などが所収されているもの。
出勤の電車の中で『春は馬車に乗って』を読みました。
もちろん、何度か読んでいるのですが。
結核で死ぬ間際の妻を看病する夫。
私小説というとちょっと違う気がしますが、作者夫婦の話です。
かみ合うようでかみ合わない、不思議な夫婦関係。
「お前は松の木を見ていたんだな。」
「ええ。」
「俺は亀を見てたんだ。」
冒頭付近の夫婦のやりとりですが、ここでいきなり惹きつけられます。
ちょっと進むと、
「あたし、早くよくなって、シャッシャッと井戸で洗濯したくってならないの。」
という奥さん。これも非常に印象的です。
また、死が迫っている奥さんが鳥のホルモンを無性に食べたがる、というのも印象的。
死を前にして肉食系。
ホルモン、大きく言えば肉を食べるという行為は、生の象徴のようなもの。
生と死のコントラストというか、実に見事なチグハグ感。
何だかかみ合わない夫婦は、いよいよ最期という時が近づいた時に互いの心が融和していきます。
絶妙なチグハグ感に、死を受け止めてはじめて融和する二人の心というのもグッときます。
これぞ「新感覚派」ですな。
しかし、2011年に読んでも新感覚な感じがするって素敵ですね。
受験生時代に、覚えた「新感覚派」だの「新興芸術派」だの、実際読んでみないと意味ないですよね。
てことで。
たまには古文じゃないものも読むんだぜ、というところを見せておきました(笑)
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10分は長すぎるでしょ。
H先生の娘は、文中で本名を明かしてどうするよ(笑)
ハンドルネームの意味ないし。
『蠅』もいいよね。
好きな短編小説の一つです。
ふふぉ!( ´艸`)
地震直後に高村先生が現れた事になんか驚いて10分くらい一人でニヤニヤしちゃってた三宅という者でござる(・∀・∩)
「蠅」!三宅学校で前期に習いましたよ!
なんか結構適当に読み飛ばして授業聞いてたら最後のテスト直前の頃まで猫背のあの馬車の運転手の人をリアルに猫ちゃんの姿した運転手だと思い込んで可愛い♪とか勝手な勘違いしてた記憶しかありませんよぉ°・(ノД`)・°・最後みんなであぁあれええぇええ〜〜(m´Д`)mな感じの話でしたし(笑)いやぁ蠅を侮っちゃあいかんですなあ!