人間そっくり


もじゃもじゃ頭でメガネのおじさん。

「お前のことか」と言われそうだけど、安部公房(1924~1993)のこと。

安部公房は『壁―S・カルマ氏の犯罪―』で芥川賞を受賞した人。

実存主義の立場で書いた作品が多い人。

知ったように書きましたが、安部公房の作品をたくさん読んでいるわけではありません。

おそらくは最も有名と思われる『砂の女』すら読んだことがありません(笑)

上記『壁』を読んで、面白いなあ、と思っていくつか読みました。

そのうちの一つが『人間そっくり』です。

『人間そっくり』はSF小説です。

でも人間の存在についての問いかけも色濃いように思います。

10年以上前に読んだものですが、今読み返している最中です。


  秘めたる使命をおびてきた
  三十二人の使者たちは
  あかしをたてるすべもなく
  冷たき狂気の墓場へと
  嘲られつつ追われゆく


これは《地球病》あるいは《火星病》患者が残した《使者の歌》として作中に登場するものです。

《地球病》とか《火星病》とかが出てくる時点で面白そうじゃないですか?

そう、安部公房の作品は面白いと思うんです。

が、安部公房は『箱男』の途中で挫折しました。

そう、『箱男』のせいで新潮文庫の安部公房読破計画があっという間に頓挫したんですよ(笑)

再チャレンジして『箱男』を倒したら、『砂の女』『カンガルー・ノート』など読み進めたいと思います。

 

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