【原文】
をかしと思ふ歌を草子などに書きて置きたるに、
言ふかひなき下衆のうち歌ひたるこそ、いと心憂けれ。
【語】
◯「をかし」
スーパー重要語。①趣がある②かわいい③滑稽だ、などの意味。ここでは①。
◯「草子」
①とじ本②仮名書きの書物③下書きの原稿④習字の練習帳、などを指すらしい。ここでは雑記帳のようなものを想起しておけばよい。
◯「下衆」読み:げす
身分の低い者。
◯「心憂けれ」
スーパー重要語「心憂し」の已然形。①つらい②いやだ、を覚える。ここでは②。ちなみに「こそ」による係り結びの法則で已然形となっている。
【現代語訳】
素敵!と思った歌を草子なんかに書いておいたのに、
しょーもない身分の低い連中が声に出して歌ってたりすると、めっちゃ萎えるわ。
※言うまでもないですが直訳ではありませぬ。
ふふ。素敵。『枕草子』のこういう章段も好きです。
自分が好きな物を共感してもらうのは基本的に嬉しいことだと思います。
が、身分はさておき、嫌いな人と趣味が重なった時の何とも言えない残念な気持ち、分かります。
すっごく良いなと思う音楽とか小説とかを見つけて、自分の宝物のように思っていたときに、
すっごく嫌いな人が同じ物を好きだと言っていることを知ったときの残念な気持ち、あれは何なんでしょうね。
一瞬、好きだと思っていた物の価値まで疑っちゃうような感覚。
まあ、すぐに気持ちの整理がついて気にならなくなりますが。
「うたてし」みたいな不快感丸出しの言葉ではなく、やるせない感じがする「心憂し」を使っているのも頷けます。
さて。
好き、って話になったから夏海ちゃんの話になると思ったでしょ?
でもね、残念ながら(?)夏海ちゃんがらみで気持ちが萎えることってないんですよね。
ふっ。 夏海ちゃん最強伝説。( ̄ー☆)キラーン
注:そもそも夏海ちゃんは物ぢゃありません。
なつみちゃん、なっつみぃが好きなものが高村先生の嫌いなものだったら、高村先生はそれを好きになるんですよね。なっつみぃが高村先生の嫌いな人を好きだったらどうなっちゃうんでしょうかね。でも萎えないんですよね。
夏海ちゃんがこの世の基準ですから当然ですね。
そうそう、前になっつみぃが番組で深川飯を作っていたとき、
僕の中で深川飯が美味しいものに昇華しました。