昨日(2012/03/04)はウインドアンサンブル中山さんの定期演奏会でした。
僕が所属する横浜緑吹奏楽団と仲良くしている楽団で、演奏会のスタッフをやりに行ってきました。
そうして、帰るころには雨が降っていましたが、今日も引き続き雨。
今日の雨はけっこう本格的でしたね。
というわけで、雨にちなんだこの章段をお届けします。
【現代語訳】
雨が引き続き降るころ、今日も降っているけれど、帝の使いとして式部丞信経が参上した。
いつものように座布団を差し出したのに、いつもより遠くに押しやって座っているので、
私が「誰のためにそうしているです?」と言うと、
信経は笑って「このような雨の日に座布団に座りましたら、
足跡がついてとても不都合に汚くなるでしょう」と言うので、
「どうして不都合なんです?氈褥(せんぞく)だけに洗足の役に立つでしょうに」と言うと、
「ハッ!これは別に貴女が上手いことおっしゃったとは言えませんな。
この信経が足跡のことを申さなければ、そのようにおっしゃることはできなかったでしょうからね」
と繰り返し言ったのがおかしかった。 <続く>
ということで、たぶん3回の連載シリーズになるかと思います。
清少納言ちゃんのダジャレが飛ぶんですが、信経が感心してくれないので拗ねる清少納言ちゃん。笑
かわいいでしょ?
この人、実にかわいらしいおばさんだと思います。
ただ、この「せんぞく料」の部分に関しては学者さんも「うーん」という感じらしく。
というのは、多くの写本がここを「けんそくれう」としているそうなのです。
それだとまったく意味が分からず、「せんそくれう」としているものも、あるにはあるそうで、
そちらに合わせると、上記のような解釈が成り立つ、ということです。
文脈上、清少納言がダジャレを言ったのは間違いないのですが。
さて、この後少しムキになってやり返すのがまたかわいいんですけど、それは次回以降をお楽しみに。
【原文】
雨のうちはへ降るころ、今日も降るに、御使にて、式部丞信経まゐりたり。
例のごと褥さし出でたるを、常よりも遠くおしやりてゐたれば、
「誰が料ぞ」と言へば、
笑ひて、「かかる雨にのぼり侍らば、
足がたつきて、いとふびんにきたなくなり侍りなむ」と言へば、
「など。せんぞく料にこそはならめ」と言ふを、
「これは御前にかしこう仰せらるるにあらず。
信経が足がたのことを申さざらましかば、えのたまはざらまし」
と、かへすがへす言ひしこそをかしかりしか。
[ 枕草子~雨のうちはへ降るころ~(2)][ 枕草子~雨のうちはへ降るころ~(3)]
↓メールでのご意見はこちらからどうぞ。(コメントは最下部から)
[contact-form-7 404 "Not Found"]