光る君は、気にくわないとお思いになりながら、このままでは終われないと女君のことが心にかかり、
みっともなく思い悩みなさって、小君に、
「お前の姉の仕打ちを、非常につらく、また腹立たしく思って、何とか忘れようとは思うのだが、
どうにも忘れられずに苦しくて仕方ないから、しかるべき折を見て会えるように取りはからってくれ」
と何度もおっしゃるので、小君は面倒なことだとも思ったのですが、
このようなことであっても光る君がお言葉をかけてくださり、そばにいられることを嬉しく思うのでした。
小君は幼い心ながら、どのような機会に光る君の頼みを叶えられるだろうかと待ち続けていると、
紀伊の守が任国に出かけていき、女ばかりがくつろいでいる絶好の機会が訪れたので、
人目につかない夕暮れに、自分の車で光る君をお連れ申し上げました。
「まだ幼いこの子に任せて、果たしてどうなることやら」とお思いになりましたが、
それしきの不安でお気持ちを抑えることなどできるはずもないので、
目立たない格好に身支度し、門などに鍵をかけてしまわないうちに、と急いでお出かけになったのでした。
小君は人目につかない方から車を引き入れて光る君を降ろして差し上げました。
こどもなので、家の者たちも気を遣って出迎えなどをしないのがかえって好都合でした。
母屋の東の妻戸に光る君をお待たせすると、
小君は南の隅の間から格子を叩いて大声を上げて戸を開けさせ中に入りました。
中にいた女房達は「丸見えだから早く閉めなさい」と言うようです。
「どうしてこんなに暑いのに格子を下ろしているの?」と尋ねると、
「昼から西の対のお方がお越しになって碁を打っていらっしゃるのです」と答えるのでした。
※雰囲気を重んじた現代語訳となっております。
西の対のお方というのが出てきました。
この人は実は紀伊の守の妹なのです。
その紀伊の守の妹が碁を打っているそうですが、
碁が日本に伝わってきたのは7世紀ごろのことだそうです。(Wikipedia調べ)
碁を打つシーンは『源氏物語』の他のカ所にも出てきますから、
貴族社会で暮らす女性にも広く親しまれていたボードゲームなのかもしれません。
自分はまったく碁は打てませんが、『ヒカルの碁』という漫画が一時期はやりましたね。
あの漫画に古人の天才囲碁棋士の霊?のような存在が出てきていた気がします。
ちなみにAKB界隈で囲碁といったら戸島花ちゃんが有名です。笑
もしAKBを最初期から見ていたら戸島さんのファンだったかもしれません。
ていうのは夏海ちゃんには秘密です!笑
まあ、うちの姫はそういうのまったく気にしないと思いますけどね。(^^;
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