源氏物語~夕顔~(22)


「とても嫌な感じがして、気分も悪かったものですからうつ伏していたのです。

ご主人様こそ、どうしようもないほど苦しんでおられるでしょう」

というと、

「おお、それよ。どうしてこんなにも・・・」

と手探りで夕顔の女の様子をうかがってみたところ、何と、息もしておりません。

驚いた光る君は体を揺すり動かしなさるのですが、ぐったりとして意識もないようなので、

「ひどく子どもっぽい人だから、物の怪に魂を奪われてしまったみたいだ」

と、どうして良いか分からずにいらっしゃいたところに、灯りを持った管理人の子が参上しました。

右近も動ける状態ではなかったので、近くにあった几帳を引き寄せて夕顔の女をお隠しになると、

「もっと近くに灯りを持って参れ」とお命じになりました。

光る君と恋仲にある女性の近くに参上するなど普通ではないので、

気が引けて近寄ることができず、部屋に上がることもためらっております。

「いいからここまで持ってきなさい。そういう遠慮も時と場合によるのだ」

といって灯りを持ってこさせ、夕顔の女の顔をご覧になったところ、

そこには先ほど生き霊となって夢枕に現れた、六条の愛人の顔がありましたが、

ふと消えて、もとの夕顔の女の顔に戻りました。

「このようなことは昔話に聞いたことはあるが・・・」と、たいそう珍妙で恐ろしいことではございましたが、

夕顔の女がどうなったのかと、それがまず心配で、ご自身の恐ろしい気持ちなどはどこかへ消し飛び、

寝ている女に覆い被さるようにして、起こそうとなさるのですが、

女の体はすっかり冷たくなっており、息はとっくに絶えてしまってしまっていたのです。

※雰囲気を重んじた現代語訳となっております。


死んじゃいました、夕顔ちゃん。
ウワァァ━━━━━。゚(゚´Д`゚)゚。━━━━━ン!!!!

恐るべし、六条御息所。

夕顔をくだらない女呼ばわりし、ついには取り殺してしまいました・・・

これもすべて光源氏のせいなんですけどね!
(╬゚◥益◤゚)

女が暮らしていた家の玄関先に咲いていた夕顔を縁に結ばれた二人でしたが、

この女はその夕顔の花ごとく、あっけなくはかなく命を散らせてしまいました。

夕顔の花は夕方ごろに咲き、翌朝にはしぼんでしまいます。(参照

もちろん、たまたまではなく、こういう結末に対応するように、夕顔の花を登場させているはず。

 

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