女たちは光る君のお姿などいまだかつて見たこともありませんでしたが、
間違いなくそうだろうという御横顔を見逃さずに和歌を詠みかけて驚かせたものの、
お返事をいただけないまま時間が過ぎたので、がっかりしていたところに、
このようにわざわざ返歌を届けてくださったので、調子に乗って、
「返歌はどうお詠みしたらいいかしら」などと相談しているようでしたが、
従者はあきれたことだと思って光る君のもとに戻りました。
先導の松明をかすかに灯して光る君は出て行きなさいました。
隣家の半蔀は下ろされていました。
あちこちの隙間から洩れている灯火の光は蛍よりもかすかで、何とも言えずしんみりした気持ちがいたします。
さて、お目当ての六条の愛人のお屋敷は、木立や庭の草花の雰囲気など、
余所とはまるで違い、たいそう穏やかに奥ゆかしく暮らしていらっしゃいます。
その女の、気を許さない様子などは他の女とは違い格別な魅力を感じるので、
先ほどの夕顔の垣根のことなど、光る君の頭からはすっかり離れてしまっているのも当然のことと言えましょう。
翌朝、少し遅くまで寝過ごして、日が差してくるころに光る君はお帰りになりました。
明け方の光る君は、なるほど、女性たちが心を奪われるのも無理のない素敵なお姿でございました。
帰りにも、前日の夕顔の屋敷の前をお通りになりました。
以前にもお通りになったことはあった所なのですが、
例のちょっとした和歌の件でお心がとまって、どのような人の住まいなのだろうと、
行き来するたびに気になって目を向けなさるのでした。
※雰囲気を重んじた現代語訳となっております。
六条御息所ろくじょうみやすんどころ、掠ってきましたが、まだ本格登場ではありません。
残念。(´・ω・`)
しかし、だ。
前にも書きましたが、光源氏は本当にずるい。羨ましい。
自分に気を許さない六条御息所に対して踏み込んでいける自信が凄い。
気を許さない女性に燃える、っていうところまでは分かるけど、その状態のまま踏み込めるのか、っていう。
そうそう、もしもAKBで『源氏物語』をやったら、っていう話ですが、
六条御息所はAKBの初代ゴリラこと秋元才加で決まりです。
全然ゴリラっぽくないんですけどね、ゴリラの真似とかするし、キャラですね。
この人もとっくに卒業してますけど。笑
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