源氏物語~末摘花~(18)


源氏物語-末摘花-

「こういうのを、後悔というのだろうか。とはいえ、こうなってしまったものは仕方ない。

気長に構えて最後まで関係を続けよう」

と光る君がお思いになっていることなど知るよしもないので、姫君方ではひどくお嘆きになっておりました。

左大臣殿が夜に内裏を退きなさるのに引きずられて光る君も左大臣邸にいらっしゃいました。

朱雀院の行幸に興味津々な左大臣家の御子息が集まって、

舞や音楽の談義に花を咲かせたり、舞を習ったりしながら毎日をお過ごしになるのでした。

楽器の音がいつもより耳にうるさくなりました。

皆それぞれ張り合うように楽器を鳴らし、いつものような管絃のあそびとは違い、

大篳篥、尺八の笛などを大きな音をたてて吹き鳴らし、

太鼓まで縁側に転がして持ってきてみずから打ち鳴らしていらっしゃいます。

光る君は忙しくほとんど暇がないようで、

本気で思いを寄せている女の所にだけ、人目を盗んでこっそりお出かけになり、

常陸の姫君の所にはまったくお出かけにならないまま、秋もすっかり暮れてしまいました。

姫君の方では光る君のご来訪を期待しておりましたが、月日は空しく過ぎてゆくのでした。

※雰囲気を重んじた現代語訳となっております。


切ない感じの末摘花ですが、光源氏が末摘花を敬遠しているのはブチャイクだからではありません。

この時点では光源氏はまだ末摘花の容貌を確認していないので。

ただ、時代遅れな感じがする上に、反応があまりにも悪くて話にならないからです。

さて、「大篳篥」という楽器の名称が出てきました。

大きな篳篥ということは想像できますが、一応ネットで検索してみました。

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