「はっきりした返事もなく、私を遠ざけたのはとても気が滅入ることだ。
きっと私を好色な者だと疑っていらっしゃるのだろう。いくら私でも短絡的な恋はしないというのに。
いつだって女の方に穏やかな心がなくて思いがけない破局を迎えるだけなのだが、
それも自然と私の罪ということにされてしまうのだろう。
穏やかで、もてあましたり恨んだりする面倒な親兄弟もなく、気が楽な人はかえってかわいいだろうに」
とおっしゃると、
「いやいや、そんな風に光る君様のように立派な方が身をお寄せになるほどの方ではないでしょう。
とても釣り合わないように思えます。
あそこまで遠慮がちに引っ込み思案な方というのも珍しいことです」
と、自分が見た有り様をお話し申し上げました。
「洗練された所もなく、また才能が感じられるような所もないみたいだね。
でもまあ、あどけなくおっとりとした所があれば、かわいいだろう」
と、お忘れになることなくおっしゃいます。
その後、以前にお話しに出てきたように熱病を患いなさり、
人には言えない藤壺の宮様との恋の物思いもあって、お心にはまったく暇もないまま春・夏と過ぎて行きました。
※雰囲気を重んじた現代語訳となっております。
今回はちょっと短いですがここまでです。
この後、季節が秋になって時がジャンプするので。
てゆーか!
ここで初めて語られたのですが、実はここまでは前巻(若紫)よりも少し前のことが語られていたのだそうで!
Σ(゚□゚(゚□゚*)ナニーッ!!
「若紫」の始まりは熱病を患う所から始まっていましたね。
末摘花に興味を持ったあと、熱病にかかり北山へ行って紫の君を見初め、藤壺の宮とやらかし・・・
ということだったようです。
早く言えよ。笑
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