源氏物語~若紫~(32)


源氏物語-若紫

「どうしてこんなに人も少なく心細い暮らしをしていらっしゃるのだろう」

とお泣きになって、とても見捨てられるものではないので、

「御格子を下ろしなさい。恐ろしげな夜だから。今夜は私が見張りとして控えることにしましょう。

女房たちも近くに来なさい」

と、非常に馴れ馴れしく御帳台の中へお入りになるので、

「こんなことって・・・」

「思っても見なかったことだわ」

と、女房たちはみな呆然としておりました。

少納言の乳母も不安で仕方ないのですが、騒ぎたてるべきではないと思って、ただ嘆くばかりでした。

紫の君は非常に恐ろしくて、どうなるのかしら、と震えて、

たいそう美しい肌には鳥肌が立ち、薄ら寒いものを感じていらっしゃいます。

愛しくお思いになった光る君は、紫の君に単衣のお着物をお掛けになると、

我ながらさすがに普通ではないとお思いになりつつも、しみじみとお話しかけなさって、

「私の邸にいらっしゃいよ。素敵な絵もたくさんあるし、雛遊びもできますよ」

と、女の子が気に入りそうなことをおっしゃって、とても親しみやすい雰囲気だったので、

幼い心地に少しは安心したのですが、そうはいってもさすがに気味悪さもあって、

眠ることができずに身じろぎをしながら横になっていらっしゃいます。

一晩中、風が吹き荒れていたので、

「本当に、こうして光る君様がお出でくださらなかったらどんなに心細かったでしょうか」

「姫君がもう少し大人でいらっしゃれば・・・」

とひそひそ話し合っておりました。

少納言の乳母は、心配なので紫の君のすぐ近くに控えています。

風は少しおさまったのでですが、こうして夜深くにお帰りになるというのは、いかにも訳ありという感じがいたします。

「かわいそうだと思っていたこの人だが、

こうしてお近づきした今となっては、もはや片時も離さずにそばに置いておかなければ気が済まない。

私がいつもぼんやり暮らしている邸にこの人をお連れしよう。これほどの人が、このような所にいて良いわけがない。

恐がりもしなかったことでもあるし」

「父宮様もお迎えにあがるようなことをおっしゃっていましたが。尼君の四十九日が過ぎてからかと思っております」

「頼もしい人ではあるが、これまで長らく別々に暮らしていらっしゃったのだから、親しさは私と同じようなものだろう。

こんなに幼いときから見申し上げることになるが、愛情の深さは父宮にもきっとまさるだろう」

といって紫の君を優しく撫でつつ、後ろ髪を引かれながら邸をでてお帰りになりました。

※雰囲気を重んじた現代語訳となっております。


Σヾ(;☆ω☆)ノギャアアーー!!

変態!!!

 

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