光る君の内裏での居室になっている桐壺には女房たちが大勢お控えしており、光る君の行動に気がついている者もいたので、
「それにしても、ひっきりなしの忍び歩きでいらっしゃること」
とひそひそ話をしながら寝たふりをしています。
光る君は御寝所にお入りになりましたが、横になってもお眠りになることができません。
「かわいらしい人だったなあ。おそらく弘徽殿の女御の妹君だろう。まだ世慣れていなかったから、五の君か六の君といったところだろうな。帥の宮の正妻や、頭の中将から愛されていない四の君などは良い女だと聞いた。もしそれだったら、もう少し面白かっただろう。六の君は春宮に嫁がせるつもりでいらっしゃるらしいから、もしそれなら気の毒な気もするな。やっかいなことに、尋ねるようなのもややこしいことになりかねない。あれきりで終わろうとはあの女も思っていないようだったが、どうして文を交わす術を教えてくれなかったのだろう」
などと、様々に思うということは、かなり気になっているということでしょう。
このようなことにつけても、まず奥ゆかしく隙のない藤壺の宮様のことが思われて、比較なさらずにはいられないのでした。
※雰囲気を重んじた現代語訳です。
今回は短いですが、きりが良いのでここまでです。
光源氏の鬼畜発言(実際は心の中ですが)が信じられないですねー。
無理矢理関係を迫り、相手にもその気にさせた挙げ句、
「人妻ならもっと良かったのにな ( ̄w ̄)」
ですってよ。(╬⓪益⓪)
帥の宮というのは、後に蛍兵部卿の宮と呼ばれる人で、光源氏の兄弟です。
が、複雑になりすぎるので系図からは外しました。
では。
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