世の中には「ビジネス語」という言語があるらしいッス。
ビジネス界では、上司や取引先の人に対して「了解いたしました」というのは使っちゃダメで、「承知いたしました」って言わなきゃいけないとか聞いたッス。
「承知」は敬語(謙譲語)で、「了解」は敬語じゃないから、というのが理由らしいス。
マジすか。KOZッス。
K:かつてない
O:おどろき
Z:ざんす
さておき、決め手は「承」の字にあるみたいッスよ。
「うけたまわる」と読むこの字は確かに謙譲語ッスね。
「聞く」とか「聞いて理解する」とか「引き受ける」とかいう意味に謙譲の気持ちをプラスした語ッス。
ところで、「謙譲語」って何だっけ? っていうと。
古語と現代語とで違ってくるんスけど、現代語の謙譲語は動作主(主語)がへりくだる(謙遜する)ことによって、相手に対する敬意を表するものなんスよ。
だから、現代の謙譲語は主語が「私/私たち(1人称)」の時に使うことが多いッス。
A「◯◯してください」
B「承知いたしました」
Bさんは「承知する」という謙譲語を使ってへりくだることにより、Aさんを敬う気持ちを表現している、ということッス。
でもなんかウケるッス。
だって「承知」って時代劇の響きなんスもん。
筆頭与力「本日より市中の見回りを強化せよ」
与力「承知!」
みたいな。(≧∇≦)
どうせ時代劇ごっこするなら「承知」より「御意」の方が面白いと思うんスけど。
ドクターXの「御意軍団」面白かったしょ。
ていうか、そもそも「了解」でよくないスか?
「承知」は堅苦しいし、すごい距離を取られてる気がして身近な人に使われるとショックな言葉ッスわ。
ビジネス界で使うのはまあ勝手にしてくれればいいけど、それにしても、ビジネス語では「ご了承願います」とかふつうに使ってんスよね?
上述の通り、「承」が入ってるってことは厳密に言えば謙譲語ッスよ。
A「その件につきましては後ほど担当者よりご連絡を差し上げますのでご了承ください」
B「・・・」
了承するのはBさんでしょ?
ということは、Bさんの「理解して受け入れる」という動作に謙譲表現を用いることで、Bさんをへりくだして見下した表現スよ。
大袈裟に言えば、「オレ様のいうことを理解し、受け入れて差し上げなさい」ってのと同じッス。笑
「ご」が尊敬だとしても、それによって謙譲語のへりくだり表現が帳消しになるわけないッス。
何でこれはOKなんスか?
慣習スか?
ちなみに、手元の漢和辞典(新漢語林)では「了承」にこんな注釈がついていたッス。
◇「了解」と「了承」はよく似た意味であるが、現代では、単に「理解する」「わかる」にとどまる場合は「了解」を用い、「理解した上で承知する」「理解して決着をつける」意のときには「了承」を用いる傾向が強い。したがって、提案・要求などに対しては「了解」ではなく「了承」を求められることが多いわけである。
「了解」と「承知」については言及されてないッスね。
まっとうなビジネス界を生きたことがない自分には難しすぎるッス。
(o◕ฺω◕ฺ)
追記:まとめ(2017.03.02)
つまり、「承知」に「承」の字が入っていることから謙譲語であることを主張するなら、「了承」にも「承」の字が入っているんだから謙譲語であることを認めるべきではないのか、って話です。
そして、謙譲語は動作主(主語)をへりくだす(≒蔑む)働きを持つのだから、お客様相手に「ご了承ください」といってしまうと、お客様を下に見ていることになりますよ、ということです。
そこを厳密に考えないなら、「承知」と「了解」だけを厳密に考えてうるさく言うのはどう考えても一貫性がないし、おかしいと思います、ということです。