現代語とのギャップが大きい古語その5。
おどろく
現代語でびっくりする意味なのは言うまでもありません。
古語辞典を引くと、
①目覚める ②はっと気づく ③びっくりする
と出てきます。
言うまでもなく、大事なのは①と②の意味です。
「はっと気づいて、その結果びっくりした」という流れができるので、③は②の結果に重点が置かれた場合の意味ということができるでしょう。
寝心にもきと思えて、おどろくままに起き上がりて捕らへつ。(今昔物語)
→夢うつつにもはっと感づき、目覚めるやいなや起き上がって捕まえた。
「朝までおどろく」という言い方はあり得ませんね。笑
「朝になっておどろく」ならあり得ます。
先述の通り、3つの意味を持つ「おどろく」ですが、共通点は「ハッとする」ことです。
[無意識]⇒[意識]の変化を表す語、ということもできるかもしれません。
そうそう、小学生の頃に読んだ伝記(確か野口英世)に、アフリカで麻酔をかけた患者が目覚めた様子が、現地の人には死人が生き返る魔法のように見えた、と書かれていたように記憶しています。
また、古語辞典で「絶え入る」を引くと「①気を失う②死ぬ」と書かれています。
科学文明が未発達の世界では「意識を失う」のと「死ぬ」のとは似たようなものなのかもしれませんね。
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