源氏物語~夕顔~(3)


尼となった大弐の乳母も起き上がって、

「惜しくもない身ではありますが、それでも出家をためらっておりましたのは、

ただこうして光る君のお側でお目にかける姿が変わってしまうことが残念に思われて、

迷い悩んでいたのですが、仏門に入った御利益によって持ち直して、

こうして光る君がお越しになったのを見ることもできましたので、

今や、阿弥陀仏のお迎えが来るのを心清らかに待つことができそうです」

などと申し上げて弱々しく泣くのでした。

「ここのところずっと病に伏しておられたのを、心配してずっと嘆いていましたが、

こんな風に出家して尼の姿になっていらっしゃるので、とても悲しく残念なことです。

長生きして、いっそう私が出世していくさまをご覧ください。

それでこそ、最上の極楽に生まれ変わることができるでしょう。

この世に少しでも心残りがあるのはよくないことだと聞きますよ」

などと涙ぐんでおっしゃいました。

できそこないの子でさえ、

乳母などというような立場の人は驚くほどの親ばかぶりで完全無欠なものと見なすものですが、

まして、本当に比類ない光る君の乳母であることが光栄で、

側近くにお仕えした自分の身がとても大切なものに思えると同時に、畏れ多くもあるようで、

ただひたすら涙をこぼしておりました。

※雰囲気を重んじた現代語訳となっております。


乳母と光源氏の会話です。

特に何か説明を付け加えるような部分もないかと思います。

もうすぐ夕顔ちゃんの話に入っていきます。

 

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