「類は友を呼ぶ」
「朱に交われば赤くなる」
友に関することわざで有名なのはこの二つでしょうか。
『徒然草』117段に兼好法師の友に関する見解が書かれています。
【原文】
友とするにわろき者、七つあり。
一つには高くやんごとなき人、二つには若き人、三つには病なく身強き人、
四つには酒を好む人、五つには猛く勇める兵、六つにはそら言する人、七つには欲深き人。
よき友三つあり。一つには物くるる友、二つにはくすし、三つには知恵ある友。
非常に短い章段です。
友にしない方がよい人の方が多いですね。笑
意外性があまりないのが残念ですが、三つ目の「病なく身強き人」というのは分からない人もいるでしょうか。
僕自身はかなり健康な方で、体調を崩して病院に行くことがほとんどありません。
喉もかなり強く、喋る職業をしていますが、喉をやられることもないです。
従って、冬に加湿器を使う人の気持ちが全く理解できなかったんです。
うちの予備校も冬になると加湿器を稼働させるんですが、意味が分かりませんでした。
そもそも、加湿器をつけても湿度が上がった気がしないし、意味あるのか?と疑問でした。
でも、喉がデリケートな人は違うんですよね。
これと同じで、病気のつらさは患った人にしか分からないのかもしれません。
あまりに頑丈な人は、病気や病人に無理解だ、と兼好法師は言いたいのでしょう。
それにしても、「良い友」の方のあまりの俗っぽさにちょっと笑ってしまいます。
気前の良い金持ちに医者に弁護士、確かに良いですね。
(´ェ`*)ネー
では最後に現代語訳を載せておきます。
【現代語訳】
友とするのに良くない者が七つある。
一つには、身分が高く権威のある人、二つには若い人、三つには病を持たず頑丈な人、
四つには酒好きな人、五つには勇猛で血の気の多い武士、六つには嘘つき、七つには欲深い人。
良い友は三つある。一つには物をくれる友、二つには医者、三つには知恵のある友。