「父宮ではありませんが、あなたのことを大事に思っている人ですよ。こちらへどうぞ」
と光る君がおっしゃると、
誰であるのかお分かりになった紫の君は、ご自身の発言を気まずくお思いになって少納言の乳母に近寄り、
「一緒に来て。眠たいわ」
とおっしゃるので、
「今更どうして私を避けようとなさるのでしょう。私の膝でお休みなさい。さあ、こちらへ」
とおっしゃると、
「申し上げた通りでございましょう。こんなに世慣れないお年頃でして」
といって紫の君の背を押してやると、あっさりと光る君の近くにお座りになりました。
几帳の下から手を伸ばすと、しなやかなお着物につややかな髪の毛が豊かにかかっているのが手探りに感じられて、
非常にかわいらしく感じられました。
光る君が手をお取りになると、親しくもない男の人にそのようにされるのが恐ろしくて、
「寝ると言いましたのに・・・」
と、御手を振り払って奥の部屋へお入りになったのですが、光る君も後に続いて滑り込んで、
「今は私こそがあなたを一番に思っている人なのですよ。そんなに遠ざけないでください」
とおっしゃいました。少納言の乳母は、
「ああ、まずいことになったわ。何てことかしら。何を話しかけてもまったく張り合いがないでしょうに」
といって苦しそうなので、
「いくら私でもこのように幼い子をどうこうしようとは思っていないよ。
あなたは私の志の深さが比類ないのだということを、しっかりと見届けてください」
霰が激しく降ってきて、荒涼とした寒々しい夜でした。
※雰囲気を重んじた現代語訳となっております。
Σヾ(;☆ω☆)ノギャアアーー!!
変態!!!
<<戻る 進む>>