世の女性について、当たり前のように情報収集する癖がついていらっしゃった光る君ですが、
特にすることもなかった退屈な宵、何かの拍子に常陸の姫君のことを申し上げたばっかりに、
このようにしつこくおっしゃり続けるので、大輔の命婦は面倒で煩わしく、
「姫君の御様子も、光る君に似つかわしくなく、風流でもないのに、
なまじっか自分が手引きしてしまったら、姫君にとってお気の毒なことになるのでは…」
などと思ったのですが、光る君がこんなにも熱心に手引きせよとおっしゃるので、
聞き入れないというのも可愛げがない気がして、
姫君の父親王がご存命だったころでさえ、古びたあの邸を訪れ申し上げる人もいなくて、
まして、今となっては好き放題に生えた浅茅をわけながらやって来る人などいるはずもなかったのに、
このように世にも珍しいお方から時折お手紙が届くので、未熟な女房たちはにやけつつ、
「やはりお返事を差し上げなさいませ」
と催促し申し上げるのですが、
呆れるほど気後れなさる御性格の姫君は、まったくお読みにすらならないのでした。
命婦は、
「では、適当な折に、簾越しに光る君がお話しなさるようにして、
意に染まなければそれでお仕舞いになってしまえばいいだけのことだわ。
もし仮に運命が定めるところでお通いになることになったとしても、お咎めになる人もいないし」
などと、浮気めいた心で先走り、父親の兵部大輔にも相談しないのでした。
※雰囲気を重んじた現代語訳となっております。
前回、光源氏に「どーなってんだよ、お前んとこの姫君よぉ!」と責められた大輔の命婦。
うっせーなぁ、てかウザいんですけど、、、
大した取り柄もない姫君なのにさぁ、まー、お似合いじゃないと思いますよ、ってこっちは言ったし。
もうメンドクサいから引き合わせちゃお。
気に入らないとか言われても私の責任じゃないし、とやかく言われる筋合いないもん。
どーなっても知ーらない、っと。
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