源氏物語~葵~(8)


源氏物語-葵-

「髪がとても長い人でも、額髪は少し短くしているのが多いようだね。まったく短い毛がないというのも、あまり風情がないだろうか」

とおっしゃりながら削ぎ終えて、祝いの辞をおっしゃるのを、少納言はしみじみ畏れ多いことだと思って見申し上げます。

はかりなき千尋の底のみるぶさの生ひゆく末はわれのみぞ見ん
〔計り知れないほど深い海の底の海松房がほとんどの人の目に触れないように、あなたの豊かに成長した黒髪は私だけが見ることでしょう〕

と申し上げなさると、

千尋ともいかでか知らんさだめなく満ち干る潮ののどけからぬに
〔その限りない深さをどうやって知ることができましょうか。潮はさだめなく満ちたり引いたり、落ち着くことがないのに。あなたの愛情の深さも頼りないことです〕

と紙に書きつけていらっしゃる様子は手慣れていらっしゃるものの、幼くかわいらしいのを、素晴らしいとお思いになる光る君でした。

さて、この日も見物の車でいっぱいでした。

良い場所はもう車を駐めることができなくて、

「上達部の車が多くてうっとうしいな」

とお困りになっていると、着物を垂らした悪くはなさそうな女車から扇を差し出して、光る君のお供方を招き寄せると、

「ここにお駐めになってください。お譲りしましょう」

と申し上げました。

※雰囲気を重んじた現代語訳です。


紫の君の髪を削ぎ、整え終わった光源氏、葵祭を見物に出かけました。

車を駐める所がなかったのですが、最後に女性が場所を譲りましょう、と申し出てきました。

誰でしょうね?

これまでに出てきた女性たちです。

「お前か!」みたいな人です。

正解は次回のお楽しみに、ってところで。

<<戻る   進む>>




Elastic Beanstalk


Congratulations

Your first AWS Elastic Beanstalk Node.js application is now running on your own dedicated environment in the AWS Cloud

This environment is launched with Elastic Beanstalk Node.js Platform


Posted in 古文 | Leave a comment

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です