2018年2月17日[土]東京国立博物館に行ってきました。
仁和寺展と書きましたが【仁和寺と御室派のみほとけ~天平と真言密教の名宝~】が正式名称です。
この写真が京都にある仁和寺の正門で、とにかくドデカく威風堂々。
この写真は2015年の8月に行ったときに撮ったもので、その時すでに観音堂は修繕工事に入っており、予定では今年(2018年)末に完了するようです。
もともと観音堂は非公開で、今回ちょうど良いからなのかどうか分かりませんが、この東京国立博物館の展示会において観音堂の内部が再現されました。
展示場内は基本的に写真撮影禁止なのですが、この観音堂の再現エリアだけ撮影可でした。
千手観音像を中心とした像が一堂に会していますが、この像はすべて仁和寺の観音堂に実際に安置されているものだそうです。
仁和寺は光孝天皇の勅願により建立が開始され、宇多天皇の時(888年)に完成したお寺です。
宇多天皇は醍醐天皇に譲位した後、出家して法皇となり、仁和寺境内の一角に住まわれました。
そして、代々(明治時代に入るまで)仁和寺の住職は天皇家から排出される「門跡もんぜき寺院」となったのです。
僧侶の住居を「庵室あんじち」と言うことが多いですが、高貴な宇多法皇の住まいは「御室おむろ」と呼ばれました。
以降、仁和寺の住職のことを「御室」と言うようになり、また仁和寺そのもの、ひいては仁和寺を中心とした地域をも「御室」と呼ぶようになりました。
やがて仁和寺は真言宗の寺院の中で「御室派」を形成する総本山となっていきます。
今回の展示ではその御室派の仏像などがまとまって公開されており、見応えがありました。
上述の観音堂はもちろん目玉ですが、他にも御室派寺院の秘仏が大集合しており、見所満載です。
例えば・・・
などなど。
葛井寺ふじいでらの千手観音像には、世にも珍しく、本当に千本の手があります。
多くの千手観音像は左右に二十本ずつ+正面で合掌する左右一本ずつ、計42本で千本に見立てています。
従って、この珍しい葛井寺の千手観音像の周囲には取りわけ多くの人だかりができていました。
確かに、それくらい圧巻でした。
観音様の像が多くなってしまいましたが、ちなみに、観音は「観世音菩薩かんぜおんぼさつ」の略称です。
菩薩、というのは悟りを求めて仏(如来)に随行し、衆生の救済を目指す存在です。
従って、観音様は仏様ではありません。
観音様は現世での御利益が期待されて、日本でも古くから厚い信仰を集めてきました。
平安時代より特に信仰が厚かった寺院として名高いのが、京都・清水寺,滋賀・石山寺,奈良・長谷寺ですが、
清水寺:千手観音
石山寺:如意輪観音
長谷寺:十一面観音
と、これらの寺院の御本尊は観音様なのです。
さておき、仁和寺の観音堂も普段は非公開なので、今回東京国立博物館で見られるのは貴重な機会です。
3/11[日]まで開催していますので、ご興味ある方はぜひ。