【原文】
手のわろき人の、はばからず文書き散らすはよし。
見苦し、とて人に書かするは、うるさし。
『徒然草』35段です。
「手」というのは重要語句で、「文字/筆跡」の意味になります。
この段は身分の高い人が代筆させるのを否定するものではないと思います。
例えば、中宮様がお付きの女房に手紙を代筆させる、なんていうことがあります。
が、それは別に字が下手だから代筆させているのではないはずですし。
ですから、そういうケースはさておいて。
これはたぶん兼好法師の実体験にもとづく話なんでしょうね。
僕も字はかなり下手です。ヘタっぴークソまみれです。
それでも、年賀状を全部パソコンで、というのは許せなくて、言葉を自筆で添えるようにしています。
パソコンからプリントアウトしただけのって、綺麗ですけど味気ないですよね。
あまり書きませんが、手紙もそうですね。
演奏会の招待状、なんていうのはパソコンでいいと思っていますが。
先日久々に、とある人に(夏とか海とかいう人に)手紙を書きました。
「うわー、汚ねー字 ε-(;-ω-`A)」と思いつつ、2~3回書き直し。
最後にシュッと香水をふりかけて封をして。
いいもんですよね、たまに手紙を書くのも。
【現代語訳】
字の上手くない人が、気にせず手紙をどんどん書くのは良い。
僕の字はみっともないから…などと言って人に書かせるのは煩わしい。
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