小林一茶(2)


梅雨明けが早かったせいで、連日猛暑が続く今日この頃。

皆さまいかがお過ごしでしょうか?

熱中症にはお気をつけくださいませよ。

あとゲリラ豪雨も恐いですね。

そんな中、夏を題材にした古文のブログを書こうと思いましたが、パッといいのが思い浮かばず。

久しぶりに一茶の俳句でも取り上げてみようかなと思いました。

ではさっそく。


青簾きたなくなりて末長し

 

汚れて汚くなってからの方が長いつきあいになるよ、っていう俳句ですね。

別に簾に限った話ではなく、大抵のものはそうじゃないかと思いますね。

汚さではなく、味わいと感じられるような変化をしてくれると嬉しいですね。

しかし、夏は夏ですがあまり清涼感のない俳句、失礼しました(笑)


いざいなん江戸は涼みもむつかしき

 

もともと信州(長野県)出身の小林一茶。

句作のために江戸に出ていましたが、土地柄が肌に合わないところもあったのでしょうね。

大学時代の講義メモには、この俳句に「捨て台詞。江戸に未練なし」とあります。

ちなみに「いなん」は、ナ変動詞として名高い「いぬ」に意志の助動詞「ん(=む)」がついたものです。

「いぬ」は「去ぬ/往ぬ」と漢字表記し、立ち去ること、行ってしまうことを意味する動詞です。

そう、確かに都会は涼しさを感じにくい気がしますね。


夕立やかゆき所へ手のとゞく

 

「痒いところに手が届く」という成語は江戸時代には既にあったんですね。

この場合「痒いところ=耐え難い暑さ」でしょうね。

そこへザーッと清涼感をもたらしてくれる夕立のありがたさ!

想像するだけで気持ちが涼やかになってくるようです。


夕顔の中より馬の屁玉哉

 

夕顔は夏の季語です。『源氏物語』に、かわいらしい女性として「夕顔」が出てきます。

そんな王朝的な美を一撃でぶち壊す「馬の屁」(笑)

しかも「屁玉」です、屁の玉、屁の塊です。

ボフン!って音が聞こえてきそうな見事?な単語ですね。

寡聞にして(笑)馬のおならって聞いたことありませんけど・・・

先ほどの清涼感が台無しですな w


四つの俳句はすべて『七番日記』によるものです。

江戸時代の文化は町人の文化といって良いと思うのですが、まさにそんな感じですね、一茶の俳句は。

平安王朝の文化も大好きですが、江戸時代の町人文化もまたいいですね。

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