と言って、頭の中将がため息をつく様子も何だかいたたまれないので、
光る君も、今の話のすべてにというわけではないにせよ、ご自身にも思い当たる所があったのでしょうか、
笑みを浮かべなさって、
「その、少しの取り柄もない人なんていうのは本当にいるものかね」とおっしゃると、
「まあ、その程度の女の所にだまされて寄っていったりはしませんが。
しかし、何の取り柄もない残念な女と、立派だと思わず感心するほど優れた女とは同じくらいいるでしょう。
素晴らしい家柄に生まれたら、人から大事にされ、人目から隠れることも多く、自然とその雰囲気は別格だろう。
中流階級の女にこそ、その人その人によってまちまちの気質や趣味が見られて、違いがあれこれ多くあるはず。
下流階級にまでなってしまうと、別段興味も湧かないけどね」
※雰囲気を重んじた現代語訳となっております。
ちょっと短いですかね。(´-ω-`;)ゞポリポリ
たぶん、次回も短いですが、次回分とセットにすると長いような気がしたのでここでとめました。
中流階級の女が良い、なんて源氏に余計なことを吹き込むもんですからねぇ・・・笑
まあしかし、この「帚木」こそが、その後の物語の推進力と広がりを生んでいるように思えます。
というわけで次回をお楽しみに。
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