源氏物語~賢木~(27)

最終日、中宮様ご自身のための法会として、仏門にお入りになる旨を仏に申し上げさせなさるので、それを聞いた人々はみな驚愕なさいました。

兵部卿の宮も、光る大将の君も動揺なさって、驚きのあまり呆然としていらっしゃいます。

兵部卿の宮は、法会の中盤あたりで席を立ち、中宮様がいらっしゃるお部屋の中にお入りになりました。

中宮様は決意の固さをお話しになると、法会が終わる頃に天台座主をお呼びになって、戒を受けなさる旨をおっしゃいました。

御伯父であられる横川の僧都が中宮様の側近くにいらっしゃって、御髪を削ぎなさる時、邸内は恐ろしいほどの泣き声にどよめいていました。

老い先短い老人でさえ、出家するとなれば不思議と悲しくなるのが世の常なのですから、ましてこの御方であれば当然のことで、しかも前もってそのような素振りも一切お見せにならなかったのですから、兄の兵部卿の宮様も激しくお泣きになるのも無理のないことでした。

その他、法会のために参上なさっていた方々も、全体的にしみじみ尊かったため、みな袖を涙に濡らしながらお帰りになって行きました。

亡き院の皇子たちは、以前のご様子を思い出しなさると、ますますしみじみ悲しくお思いになられて、みな慰労のお言葉をお掛けになります。

光る大将の君はその場にとどまりなさって、言葉も見つからないまま途方に暮れていらっしゃったのですが、「どうしてそこまで」と人から疑われるに違いないので、宮様方が御退出なさった後に、光る君も中宮様の御前に参上なさいました。

次第に人々も静まって、女房たちは鼻をかみながらあちこちに群がっています。

月は一点の曇りもなく、所々で雪が光っている庭の風情も、昔のことが思い出されてとても堪えがたくお思いになるが、何とかお気持ちを静めなさって、

「どのようなことからご決断なさって、こんなに急に…」

と申し上げなさいます。

「昨日今日出家を考えたわけではございません。何となく世の中が慌ただしくて、ますます心が乱れそうで」

などと、例によって王命婦を通してお返事を申し上げなさるのでした。

※雰囲気を重んじた現代語訳です。


ついに藤壺の宮が出家してしまいました。
ヽ(´Д`ヽ)(/´Д`)/イヤァ~

「法華八講」は藤壺の宮のサプライズ出家のための催しでもあったのですね。

ずっと藤壺の宮に恋い焦がれてきた光源氏はおつらいでんな。

でもまあ、藤壺が出家を決意するに至った責任の一端はテメエにも確実にあるんだからな。
|`・ノД・) バ~カ

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