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横浜緑吹奏楽団第35回定期演奏会

2018年9月9日(日)横浜緑吹奏楽団第35回定期演奏会が開催されました。

全国的に雨が多かったのですが、奇跡的に東京や神奈川は晴れていました。
これぞまさしく天佑神助。
ヾ(*ΦωΦ)ノ ヒャッホゥ
会場に足を運んでくださった方、そして演奏会に携わってくださったすべての方に心より感謝いたします。
本当にありがとうございました。
<(_ _)>
今回、2年ぶり2度目となる定演実行委員長を務め、35回を記念して演奏会全体に「繋ぐ」というテーマを設けました。
まあ、僕が考えたことではありませんが。笑
※発案者は実行委員のYさんです。
これには「歴史ある緑吹の活動を未来に繋ごう」という思いがこめられています。
そんな今回の演奏会は久しぶりに3部構成です。

【第1部】真面目なステージ
①スター・パズル・マーチ
②オーボエと吹奏楽のためのグリンカの主題による変奏曲
③ミシシッピ組曲
スター・パズル・マーチは1993年の吹奏楽コンクール課題曲です。「きらきら星」のメロディーをテーマに変奏しつつ、星にまつわる曲の断片がパズルのように繋がっていく楽しい曲です。
オーボエと吹奏楽の…変奏曲は、緑吹のOBで現在ドイツ・ライプツィヒ交響楽団の首席オーボエ奏者としてプロで活躍している及川寛繁さんをソリストに迎えて演奏しました。残念ながらこの曲にはサックスの譜面がなく、一緒に演奏することはできませんでしたが。
ミシシッピ組曲はアメリカ音楽です。タイトルだけ聞くと知らない人が多いでしょうが、「アメリカ横断ウルトラクイズ」の音楽として使われていたので聞き覚えのある方も多いと思います。

【第2部】音楽劇 《HEIAN 恋のラプソディー Ⅱ》
前作から2年の歳月が流れ、今度はなつみが平安時代にタイムスリップ。
奇跡的に再会した2人は果たしてどうなるのか?!
◆演奏楽曲◆
①朝の風景(映画《美女と野獣》より)
②恋
③平安朝BGM
④Oriental Wind
⑤私のお気に入り
⑥また逢う日まで
⑦映画《ALWAYS 三丁目の夕日》メインテーマ
詳しくは後述します。

【第3部】OBOGとの合同演奏
①アルセナール
②組曲《ドリー》より「子守唄」「スペイン風舞曲」
③エルザの大聖堂への行進
~アンコール~
・Future of Dreams
かつて緑吹を指導してくださった指揮者&緑吹のOBOGを迎えてのステージです。
《アルセナール》 指揮:山﨑康子
組曲《ドリー》 指揮:内海治夫
《エルザの大聖堂への行進》 指揮:今井雅之
《Future of Dreams》 指揮:市村節夫
注)エルザを振った今井さんだけは現在の指揮者です。

さて、第2部の音楽劇 《HEIAN恋のラプソディーⅡ》について。

忘るなよ程は雲居になりぬとも空ゆく月のめぐり逢ふまで
〔私のことを忘れないでくれよ。どんなに遠く離れ離れになっても、空を行く月が巡るように、巡り会える日がきっと来る、その日まで〕
前回、平安貴族・藤原駄仁得留は雷とともに現代にタイムスリップし、女子大生のなつみと恋に落ち、しかし最後は再び鳴り響く雷鳴とともに上記の歌を詠み残して平安時代へと帰ってしまう…というお話でした。
詳しくはこちらを参照してください。
それから2年後、社会人となったなつみには仁という恋人もでき、充実した日々を送っていました。
とある土曜日の夜、仁から電話(LINE通話)が入り、明日映画を観に行く約束をするところから物語は始まります。
なつみ「…私あれ見たい!《マンマ・ミーア》!…あー、それね。仁ってホントそういうの好きだよね」
そして夜が明け、朝がきました。

コケコッコー!
 
M1《朝の風景》 映画《美女と野獣》より
朝、なつみが出かける準備をしていると、再び仁から電話が。急に仕事が入って映画には行けないことになってしまいました。憤るなつみでしたが、夕方に合流して食事に行く約束をします。
な「…じゃあ、待ち合わせは5時30分。三丁目のセブンイレブンね。じゃあお仕事頑張ってね」
すぐに怒りが収まるなつみちゃんでした。笑
M2《恋》
ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」のエンディングとして2016年にブームとなり、「恋ダンス」を踊るガッキー(新垣結衣)がかわいいと話題になりました。
緑吹も恋ダンスしましたよー。なつみ+2人で。
日中暇になったなつみでしたが、取りあえず天気も良いので出かけることにしました。ドアを開けて出かけようとした直後、突然雷が鳴り響き…
M3《平安朝BGM》
大道具や舞台美術もない状況で、舞台が平安時代に切り替わったことをお客さんに示す重要な楽曲です。ピッコロ,ハープ,ユーフォニアムで演奏しました。視覚的な補助として、舞台は赤の照明を入れて怪しい雰囲気を出しました。
平安時代へと放り出されてしまい、状況が把握できないなつみ。
な「嘘でしょ…電波が入らない…」
スマホで位置確認をしようとするも、まったく機能せず混乱して走り去るなつみ。
駄「はっはー!何じゃ、今の雷は?」
2年前、自らがタイムスリップした記憶が蘇る駄仁得留が悠然と登場します。
駄「これが銀座のカンカン娘~♪」
2年前に知った曲を口ずさんだりしていると、
な「あの…すみません」
駄「おお!奇妙な女!…ん?そなた、ひょっとしてなつみか?」
な「え?藤原のダニーちゃん?!ダニーちゃんなの?!」
こうしてなつみと奇跡的な再会を果たした駄仁得留は、ここが現代から900年前の平安京であることを伝えます。
駄「どうじゃ、平安の風は?」
M4《Oriental Wind》
な「900年も前に来ちゃうなんて」
駄「ふむ。まろもあの時帰れたし、まあそのうち何とかなるのではないか?」
な「ん~~。そうよね!きっと何とかなるわよね!じゃあ、どこか案内してよ。せっかくだから」
相談した結果、清水寺に行くことにした2人でしたが、例によって和歌を詠み始める駄仁得留なのでした。
音羽山たづねてみれば清水に濁る心も澄みやしぬらん
〔音羽山に建つ清水寺を参詣すれば、清らかな水で濁りが流されるように、心も綺麗に澄みわたるだろうか〕
前回は過去の歌人たちが詠んだ歌ばかりを口ずさんでいた駄仁得留だったので、
な「これは誰が作った和歌なの?」
駄「まろじゃ!」
今回は駄仁得留オリジナルの歌でした。
駄「いざ、参らん」
な「そうだ、清水行こう。なんちゃって」
M5《私のお気に入り》
JR東海のCMのキャッチコピー「そうだ、京都行こう」をモジったセリフからの展開です。

このCMの楽曲《私のお気に入り》の熱帯Jazz楽団バージョンというのを演奏したのですが、CMで使われているのとアレンジがかけ離れてすぎているので、鍵盤ハーモニカでCM風のイントロを演奏してから本編の演奏に入りました。
途中、駄仁得留も出てきてサックスセクションのソリも演奏しましたよー。
さて。
清水寺の他、長楽寺・八坂神社を巡った2人。次はどこへ行くか相談していると、遠くで雷が鳴り、別れの時が近づいていることを告げます。
な「ねえ、帰る前に伝えておきたいことがあるんだけど」
もとの時代に恋人がいることを話すなつみに、1度は驚いたふりをする駄仁得留でしたが、
駄「分かっておったわ、何となくな。しかし不思議なのだが、まったく嫌な気がしなかったのじゃ」
な「私も!私もね、ずっと不思議な気持ちだったの。2年ぶりに会ったなんて思えなくて。何かずっと一緒にいたような気がしてたんだ」

平安時代は一夫多妻制でしたが、妻が夫以外の男性と関係を持つのは厳禁で、そんなことが露顕したらすぐ離婚になってしまいます。結婚をしていなくても、女性が複数の男性と恋愛関係を持つことは許されません。逆は良いんですけどね。まあそういう時代だったのです。それをなつみが知っていたかどうかは定かではありません。笑
な「ねえ、また会えるかな?」
駄「それは分からぬが…」
な&駄「忘るなよ程は雲居になりぬとも空ゆく月のめぐり逢ふまで」
M6《また逢う日まで》
車の通る音・クラクションのSE(効果音)が入り、なつみが現代へと帰ってきたことを示します。
舞台はオレンジ。綺麗な夕日が出ており、待ち合わせ場所に立っているなつみ。
仁「なっちゃーん!ごめんね、急に仕事になっちゃって」
何やら古びた扇子を持っている仁。
な「何?その古びた扇子。そんなの持ってたっけ?」
仁「こないだ物置から見つけたんだ。すっごい古いんだけど妙に惹かれちゃってさ、もらっといた。何か書いてあるんだよね。…音羽山たづねてみれば清水に」
な&仁「濁る心も澄みやしぬらん」※バッグから短冊を取り出すなつみ。
仁「えっ?!なっちゃん、何で知ってるの?この歌、有名なの?」
平安時代に行った時、駄仁得留が書き記した和歌を現代に持ち帰っていたなつみ。この時、仁が駄仁得留の子孫であることを悟るのでした。
適当に誤魔化したなつみは夕日を指さし、
な「ねえ、見て。綺麗な夕日」
仁「ホント、今日は特別だなあ。なっちゃんと一緒だからかな」
M7映画《ALWAYS三丁目の夕日》メインテーマ
美しい夕焼け空の下、2人はゆっくりと歩き出すのでした。
-END-

映画がドタキャンになった後、食事に行く約束をしたところで、待ち合わせが「三丁目のセブンイレブン」になったことが、最後の楽曲《ALWAYS三丁目の夕日》に繋がってくることに気づいてくれたお客さんはどれくらいいたでしょうか?
脚本を書いた段階では、10人に1人くらいの割合で気づいてくれる人がいたらいいな、という思いでした。
芝居を観る醍醐味の1つとして、観劇した後に一緒に観た友人とお茶でもしつつ「ああだったよね」「こうだったよね」と感想を言い合いながら、「ねえ、あれってこういう意味だよね?」「あ、そうか!よく気づいたね~!」なんていう話をする、というのがあると思います。
終わった後も楽しめるように、という思いをこめて仕掛けました。
冒頭に近い所に仕掛け、発動するのがエンディングなので、難易度は高めだったかもしれません。
あと、今回僕は駄仁得留&仁の2役を演じたので、「早着替え」が必要でした。
《また逢う日まで》を演奏している約3分の間に駄仁得留⇒仁にならなければなりません。
1週間前の9/02に初めて通しリハーサルをやった時にはまったく間に合いませんでした。笑
ので、駄仁得留の装束(クッソ暑い!笑)の下に、仁の衣装を完全に着込むしかありませんでした。
結構な苦労をしたのですが、上下の服の他に、靴とメガネも変えるという細かいこだわりに気づいてくれた方、どれくらいいますかね。笑
ともあれ、事故もなく、お客さんにも楽しんでいただけて良かったです。
※今年は冒頭から素晴らしく反応が良かったのでこちらも楽しく進められました。
終演後、初めてお会いした方に「ああいうコンサートは初めて見ました。とっても良かったです」とロビーでにこやかにお声かけいただきまして、苦労して作った甲斐があったな~、と思いました。

【裏話】
今回は<時間との闘い>が大きかったです。
例年、本番の前日にホールを借りてリハーサルをしていたのですが、今年は抽選に外れて前日にホールで練習することができませんでした。
仕方がないから、本番当日17時までしか借りていなかったホールを夜まで借り、午前中のリハーサルを長くやって終演時間を後ろにずらそうとしたのですが、これも抽選に外れて取れず。
それに加えて、例年以上に盛りだくさんな内容の3部構成という、実はドえらいピンチの状況の中で行われた演奏会だったのです。
(((゙◇゙)))カタカタカタカタ
本番の朝にまず舞台を設営し(例年は前日に組み上がっている)それから軽くリハーサルをし、本番を迎える、という流れ。
すると、例年の13:00開場13:30開演では厳しいので、13:30開場14:00開演になりました。
しかし、17時には退館しなければいけないので、例年は15分取っている部と部の間の休憩時間は10分に短縮。
だから団員も着替える時間がないので、1部~3部まで衣装替えはなし。
※ダニエルだけは1部~2部間も、2部~3部間も着替えアリ。笑
というわけで、本番当日は嵐のように時間が過ぎ去っていきました。
感慨に浸っている時間もなく、「気づいたら終わってた…」という感じです。
従って、今回は記念に撮った写真もありません…
寂しいっ!!!笑
カメラマンさんに撮ってもらった写真はありますけどね!
それとDVDの仕上がりを楽しみに待ちたいと思います。
ということで、9/02のホール練習で撮った写真を苦し紛れに貼っておきます。
なつみ役ですが、前回は稲葉美優ちゃんに演じてもらいましたが、今回は都合が合わず、辻本竜揮ちゃんに出演してもらいました。
女優が変更になったことも劇中でネタにしましたが、お客さんにはウケていたので良かったです!
※緑吹での練習中はまったくウケない!笑
会場まで足を運んでくださったお客さま、ウインドアンサンブル中山ほか、スタッフとしてお力添えいただいた皆さま、めくりを書いてくださったKさん、四コマ漫画を描いてくださったMさん、そして演奏会の成功に向けて半年以上一緒に頑張った緑吹の皆さま、本当にありがとうございました!
心より、厚く御礼申し上げます。
 

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