源氏物語~帚木~(13)


中将の君は「取りあえず言えるのは、かわいかったり愛しかったり、

とにかく気に入った相手が浮気をしているかもしれないと頼りないのは一大事だろうね。

自分にやましいところはなく、男の浮気を見逃せば、男も改心してまた自分を愛してくれるだろうと思われるけれど、

それが実際にはそうはいかないようだ。

ともかく、意に染まないところがあっても平然とした様子で堪え忍ぶより他に、良い手はないでしょうな」

と言って、

「この光る君に嫁いでいる我が妹は今言ったとおりの状況だ」と思うのですが、

肝心の光る君がうとうとして何もおっしゃらないものですから、つまらなく不愉快なことだと思っているのでした。

左馬の頭は女博士にでもなった気で、べらべらとよくまあ喋っています。

中将の君は、この理論を最後まで聞いてやろうと熱心に耳を傾けていらっしゃいました。

「さまざまな例を引き合いに出して考えてみてください。

家具職人が様々なものを自分の思い通りに作り出すのも、

即興で作る、特に様式が決まっていることもなくて見た目がしゃれた感じのものも、

なるほど、こんな風に作ることができるんだなあと、流行にあわせて感じを変えて今風にしているので、

その目新しさにひかれて興味深いものがあるものです。

しかし、重大なものとして本当にきちんとした、部屋を彩る調度で、決まった様式があるものを

完璧に作り出すということになると、やはり本物の名人の仕事は別格で、一目で見分けがつくものです。

※雰囲気を重んじた現代語訳となっております。


頭の中将が久々に口を開きましたよ。

そして口を開いたと思ったら、妹の婿である光源氏にチクっと言ってやりたかったようですが、光源氏寝てるし…笑

久しぶりに、人物関係図を載せておきましょうか。

光源氏が物忌みをしている所に頭の中将がやって来て、更に左馬の頭と藤式部の丞が加わったのでしたね。

 

そしてまた左馬の頭が勢いよく語り出しました。ε-( ̄ヘ ̄)┌ ヤレヤレダゼ・・・

頭の中将の常夏ちゃんの話はまだ大分先です。

左馬の頭こそ黙って寝ろよ。笑

 

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