源氏物語~末摘花~(22)


源氏物語-末摘花-

ようやく夜が明けたようなので、光る君みずから格子を上げて庭の草木に降り積もった雪をご覧になります。

人の足跡もなく、広々と荒れわたって非常に寂寥としているので、

このまま姫君を振り捨てて行くのもかわいそうな気がして、

「こちらへ来て風情のある空でもご覧なさい。いつまでもお心を隔てていらっしゃるのがつらく思われますよ」

と恨み言を申し上げなさいました。

まだ薄暗いけれど、雪明かりで光る君がいっそう若く美しくお見えになるのを、

年配の女房たちは満面の笑みを浮かべながら拝見しております。

「早くお出でなさいませ。いつまでもそうしていらっしゃっては見苦しくございます。

女は素直なのこそが一番です」

などと諭し申し上げると、姫君は人の言うことを拒めない御性分なので、

あたふたと身支度を整えて光る君の方に進み出なさるのでした。

光る君は正面からは顔を見ないようにして外の景色を眺めていらっしゃいましたが、

横目にちらっと見る限り、そのお姿は普通ではないようでした。

「どうだろう、親しい間柄になって、よく見たら美しいというようなところが少しでもあれば嬉しいだろうに」

とお思いになるのは、自分勝手であまりにも都合の良いお考えです。

姫君は、まず胴長で座高が高くお見えになったので、やはりだめか…と胸がどきどきしてきました。

次に見苦しく目についたのは鼻で、普賢菩薩の乗り物かと思われるほどでした。

びっくりするほど高くそびえ、先端は少し垂れ下がり、赤らんでいるのがとりわけおぞましく思えます。

肌は雪にも劣らず真っ白く青ざめて、額は広々として、さらに下ぶくれな顔立ちは、恐ろしく面長です。

気の毒なほど痩せ細り、肩の辺りなどは痛々しいほどに衣服の上からでも骨格が見えるのでした。

なぜこんなにしっかりと観察しているのだろう、とは思うものの、

このような容姿はめったに見られるものではないので、ついつい御覧になってしまうのでした。

※雰囲気を重んじた現代語訳となっております。


いとやばしーーーッ!
.・ヾ(。 ̄□ ̄)ツ  ギャァ!!

気のせいでしょうか、紫式部の筆が楽しそうに思えるんですけど。笑

こんな感じ?

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ではないですね。笑

末摘花の容姿についてはまだ続きます。

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