源氏物語~若紫~(33)


源氏物語-若紫

霧が濃く立ち籠めている空の風情も並々ではなく、霜も白くおりている景色は、

本当の恋であればきっと風情を感じるに違いないと思うと、少し物足りない気がしていらっしゃいました。

帰りがけ、厳重に人目を忍んでお通いになる女の家があったのを思い出しなさって、

従者に門を叩かせなさったのですが、誰も気づかないようでした。

仕方がないので、良い声を持つ従者に歌を詠み上げさせなさいます。

朝ぼらけ霧り立つ空のまよひにも行き過ぎがたき妹が門かな
〔空が少し明るくなる中、霧が立ちこめる空に迷ってしまいそうなのにつけても、このまま通り過ぎて行くことができそうにないあなたの家の門であることです〕

二回ほど詠ませたところ、上品そうな次女が出てきて、

立ちとまり霧のまがきの過ぎうくは草の戸ざしにさはりしもせじ
〔霧が覆って素通りできずに立ち止まっているならば、人目に邪魔されることもないのですから草が覆う戸を突破して入ることなど簡単でしょう。まあ入る気がないのだとは思いますが〕

と読み掛けてまた中に入ってしまいました。その後は誰も出てこないので、そのまま帰るのも情けない気はしましたが、

明けてゆく空に気兼ねして二条院へとお戻りになりました。

かわいかった紫の君の面影が恋しくて一人でにやにやしながら横になっていらっしゃいます。

日が高く昇ってからお起きになると、紫の君にお手紙をおやりになるのですが、書くべき言葉も普通ではないので、

考え考えして筆を置きつつ、気の向くままお書きになり、手紙の他に素敵な絵なども併せてお贈りになりました。

この日、紫の君の家にはちょうど父宮がお見えになっておりました。

以前にもましてひどく荒れており、古びた広い邸内に人少なでとても寂しいのを見渡しなさって、

「このような所でどうして幼い姫が少しの間でも過ごしておられようか。やはり私の屋敷にお移ししよう。

なに、窮屈な所ではないよ。乳母にもちゃんと控えの部屋を与えよう。

姫と同じような年頃の子がいるから一緒に遊べるし、とても良いだろう」

などとおっしゃって、紫の君を近くにお呼び寄せ申し上げなさったところ、

光る君のたいそう優雅な移り香が残っていたので、

「素晴らしい匂いだ。お着物はとてもくたびれているけれど」

と心苦しそうでいらっしゃいました。

※雰囲気を重んじた現代語訳となっております。


nynyしてんじゃねーよ、変態め!

凸(・ω・怒)うぉぃごるぁ!!

まあ、ここを「にやにや」と遠慮なく訳す人もあまりいないとは思いますが。笑

てか、紫の君に強引に近づいておいてその帰り道に別の愛人の家を思い出して門を叩いてみるとか、、、

まさに人の顔した悪魔の所業!!!

(╬ಠ益ಠ)

そんな所に、実父が紫の君を引き取ろう、とやってきたのです。

頑張れ実父!変態スケコマシ光源氏から紫の君を守るんだ!

・・・って言ってもねぇ、結果は分かってるんですけどねェ・・・

(*´-ω-`)・・・ハァ

 

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