2017年 センター試験 古文


今年の出典は『木草物語』という江戸時代の作品でした。

作者は宮部万(宮部万女とも)という女流歌人です。

問題文が必要な人はこちらのページからどうぞ。

さて、まずはリード文です。


次の文章は『木草物語』の一節で、主人公の菊君(本文では「君」)が側近の蔵人(本文では「主」)の屋敷を訪れた場面である。


とのこと。最低限ですねえ。(●´・△・`)

でも慌てずに、いつも通り問6から内容理解に役立つヒントを得ましょう。


問6 この文章の登場人物に関する説明として最も適当なものを、次の①~⑤のうちから一つ選べ。

①童は、菊君から隣家にいる女性たちの素性を問われ、蔵人のきょうだいの老尼とその娘であることを伝えつつ、娘は気位が高いので出家したのだろうとも言った。菊君から使いに行くように頼まれた時も、その真意をはかりかねたが、何かわけがあるのだろうと察して、引き受けた。

②菊君は、夕暮れ時に隣家の母娘の姿を垣間見、まだ二十歳くらいの娘までも出家姿であることに驚いて興味を持ち、恋心を抱いた。出家した女性を恋い慕うことに対して罪の意識を強く感じたが、本心からの恋であるならそれも許されるだろうと考えて、娘に手紙を送ることにした。

③蔵人は、来訪した菊君に対して精一杯のもてなしをしようとつとめながらも、連絡もなくやって来たことには不満を感じていた。わざわざ用意した食事にも手を付けない菊君の態度を目にしてますます不快に思ったが、他人の気持ちを汲み取ることができない菊君をあわれだと思った。

④老尼は、ふだんは山里に住んでいるが、娘を連れて久しぶりにきょうだいの蔵人をたずね、そのまま蔵人の隣家に滞在して仏に花をささげるなどしていた。その折、ちょっとした用事で蔵人のところにやって来た菊君に娘の姿を見られてしまったので、蔵人に間の悪さを責められた。

⑤老尼の娘は、二十歳くらいとたいそう年は若いが、高貴な身分から落ちぶれたことによってすっかりこの世を厭い、母の老尼と同様にすでに出家も果たしている。その後、仏に仕える日々を蔵人の屋敷で静かに送っていたが、菊君から歌を送られたことで心を乱し、眠れなくなった。


やっほい。(v^ー°)

素っ気ないリード文を補って余りある宝物(ヒント)がザックザクですね。

●菊君は男性であること。
●童、老尼&その娘(二十歳くらい)が出てくること。
●その娘は出家しているが、菊君がちょっかい(おそらく恋がらみ)を出すこと。

更に問3では、

②・・・尼であるらしいとは思いながらも湧き上がってくる菊君の恋心。

問4では、

①菊君は、老尼の娘と恋文を交わそうとしていたが・・・
②菊君は、童を隣家へ遣わして、その帰りをひそかに待っていたが・・・

と、ここら辺からも、菊君と若い尼との恋が物語の主軸であろうと推定できます。

ここまでしっかり把握してから本文を読み始めれば安心して読み進められますよね。

※本文の解説は省略します。


問1:傍線部の意味を答える問題。(5点×3)

ア)にげなきまで

別人に見えるほど
目立ち過ぎるほど
不釣り合いなほど
信じられないほど
並ぶ者がないほど

「にげなし」を重要語とするかしないかは単語帳によって異なると思いますが、ある程度古文の勉強をしていれば、何度も本文の中で遭遇したことがあるはずです。漢字を使えば「似げ無し」となり、「似つかわしくない」という意味です。覚えているべき単語です。ということで、単語の意味だけでも圧倒的に③。文脈も確認すると、

「かかる葎の中にはにげなきまで、あてにらうたげなり」

とあります。「あてなり」=上品だ/「らうたげなり」=かわいらしい、は完全に重要語ですね。「葎」にも親切なことに注がついています。すると、

「このような質素な住まいには不釣り合いな(=似つかわしくない)ほど、上品でかわいらしい」

となりこれはもう間違いなく③です。

イ)聞こえまほしき

うかがいたい
聞いてほしい
申し上げたい
放してほしい
話し合いたい

「聞こえ」「まほしき」の2単語で構成された傍線部で、「まほしき」は願望の助動詞です。「~したい」「~してほしい」の両方の訳し方があり得ますので、全ての選択肢が「まほしき」の意味からは逸脱してはいません。問題は「聞こえ」なのですが、動詞「聞こゆ」の未然形です。この動詞は「①申し上げる(「言ふ」の謙譲語)②~し申し上げる(謙譲語の補助動詞)③噂/評判になる④聞こえる」の4つの意味を知っていなければなりません。すると、これも圧倒的に③です。①の「うかがう」は「尋ねる/聞く」の謙譲語の訳になりますので早とちりしないでほしいですね。文脈は、

「常なき世の物語も聞こえまほしき心地するを」

とあり、「常なき世」というのは漢字にすればすぐ分かりますが「無常な世」ということです。お話ししたいと思っている相手は出家して仏門に入っている女性なので、「無常な世のお話」というのは話題として適切ですね。

ウ)あやしう

いやしいことに
非常識なことに
疑わしいことに
不思議なことに
畏れ多いことに

重要語「あやし」の連用形「あやしく」がウ音便になったものです。「あやし」という形容詞は「①不思議だ、奇妙だ②粗末だ③身分が低い」という3つの意味を覚えておくべき単語です。①の「いやしい」は身分の低さ、または身分が低い人のような品のなさを表すので、単語の意味では①と④があり得ます。文脈は、

あやしう、らうたかりし面影の、夢ならぬ御枕上につと添ひたる御心地して」

「らうたし」という形容詞は先ほどでてきた「らうたげなり」という形容動詞の仲間ですから、「かわいい」という意味です。

「いやしいことに、かわいかった面影が、夢ではなく(現実に)御枕元にじっと寄り添っているような御心地がして」
「不思議なことに、かわいかった面影が、夢ではなく(現実に)御枕元にじっと寄り添っているような御心地がして」

どちらがいいか迷う人はいませんね?笑

もちろん正解は④です。


問2 文法(「に・ぬ・ね」の識別)問題。(5点)

a「目馴れ給はものから」
→未然形「給は」についているので、打消の助動詞「ず」連体形

b「これも尼やあらむ」
→名詞「尼」についており、下には補助動詞「あり」もあるので、断定の助動詞「なり」連用形

c「かくはそむきらむ」
→連用形「そむき」についているので、完了の助動詞「ぬ」終止形

d「いざ、とく臥し給ひ
→連用形「給ひ」についているので、完了の助動詞「ぬ」命令形

e「夢なら御枕上に」
→未然形「なら」についているので、打消の助動詞「ず」連体形

ということで、「ae」が仲間、「b」は孤立、「cd」が仲間、という組み合わせの⑤が正解。


問3 登場人物の心理を捉える問題。(7点)

傍線部A「御心地」とあるが、その説明として最も適当なものを、次の①~⑤のうちから一つ選べ。

①うらさびしい家にいる二人の尼の姿を見て、どういう事情で出家したのか確かめずにはいられない菊君の好奇心
②隣家にいる二十歳くらいの女性の姿を垣間見て、尼であるらしいとは思いながらも湧き上がってくる菊君の恋心
③突然やって来た菊君にとまどいながらも、うまく接待をして、良い身分に取り立ててもらおうとする蔵人の野心
④菊君の来訪を喜びつつも、隣家にいる身内の女たちに菊君が言い寄りはしないか心配でたまらない蔵人の警戒心
⑤菊君の姿を目にして、娘にとっては尼として生きるより彼と結婚する方が幸せではないかと思案する老尼の親心

「御」と尊敬がついているわけです。この文章は冒頭から尊敬語が使われるのは菊君だけですよね?

登場人物が出て来たらまっさきに敬意が払われる対象かどうかを確認する、これ基本。

ということで、③④⑤はゴミクズ以下の選択肢です。

①と②だけ見ておきましょう。

直前の段落で、隣家の若い尼に心を引かれた菊君の心境が語られています。それを受けて、

「いとあはれなる人を見つるかな、尼ならずは、見ではえやむまじき御心地して」

と出てくるわけです。

「あはれなり」はしみじみと心を打たれたことを表すことばで、勿論「あはれなる人」とは隣家の娘(尼)です。

「尼ならずは」・・・「~ずは」は「(もし)~なければ」と仮定を表す重要な語句なので、「もし尼でなければ」と解釈してください。

「見では」・・・「見る」には現代語と同じ意味の他に、「男女が結ばれる/結婚する」という重要な意味があります。「で」という助詞は「~しないで、~せずに」と打ち消しながら接続していきます。「男女の関係を結ばずに」と解釈してください。

「えやむまじき」・・・「え」は平仮名一文字で副詞です。否定語とセットになり「~できない」という不可能表現を作り出します。ここでは「まじき」という助動詞が否定語です。古文の「やむ」はだいたい「止む」です。ストップすること、何かが終わること、を表します。従って「終わることはできない」と解釈します。

さあ、いよいよつなげてみましょう。

「たいそうしみじみとかわいらしい人を見たものよ、もしこの娘が尼でなかったら、男女の関係を結ばずに終わることはできない(という)御心地がして」

となり、菊君は隣家の娘に強い恋心を抱きましたが、相手が尼であることを気にしていることになるわけです。

従って、答えは②ですね。


問4 登場人物の行動の意図を捉える問題。(7点)

傍線部B「眠たげにもてない給うて」とあるが、その説明として最も適当なものを、次の①~⑤のうちから一つ選べ。

①菊君は、老尼の娘と恋文を交わそうとしていたが、蔵人たちがそうした菊君の行動を警戒してそばから離れないので、わざと眠そうなふりをして彼らを油断させようとした。

②菊君は、童を隣家へ遣わして、その帰りをひそかに待っていたが、蔵人たちがなかなか自分のそばから離れようとしないので、人々を遠ざけるために眠そうなそぶりを見せた。

③菊君は、老尼の娘からの返事が待ちきれず、こっそり蔵人の屋敷を抜け出して娘のもとに忍び込もうと考えたため、いかにも眠そうなふりをして周囲の人を退かせようとした。

④菊君は、忙しく立ち働く蔵人の様子を見て、突然やって来た自分を接待するために一所懸命なのだろうと察し、早く解放してあげようと気を利かせて、眠くなったふりをした。

⑤菊君は、慣れない他人の家にいることで気疲れをしていたので、夜遅くになってもまだ歓迎の宴会を続けようとする蔵人に、早く眠りにつきたいということを伝えようとした。

前段落では、菊君が童を使いとして手紙(和歌)を送っています。それを踏まえて、

「君はかの御返しのいとゆかしきに、あやにくなる人しげさをわびしう思せ眠たげにもてない給うて

です。

「御返し」・・・もちろん、菊君が送った手紙に対する返事のことです。

「ゆかしき」・・・重要語「ゆかし」は「①~したい②心惹かれる」の意味を持ちます。①は文脈に即して何をしたいのか、適切に補って考えます。ここでは、返事を受け取りたい、読みたい、などの意味でしょう。

「あやにくなる」・・・重要語「あやにくなり」は「①不都合だ②意地悪だ」の2つの意味を覚えましょう。ここでは①を選べば次にうまくつながります。

「しげさ」・・・重要語「しげし」は「多い」という意味です。「繁し」という漢字表記を覚えておけば忘れないでしょう。形容詞の語尾を「さ」にすると名詞になります。「寒い→寒さ」「面白い→面白さ」「悲しい→悲しさ」「美しい→美しさ」など、現代語でも同様なので分かりますね。

「わびしう」・・・重要語「わびし」は「思い通りにならないことからくる、つらさや困惑」を表します。

「もてない」・・・当然ですが、「モテる/モテない」という現代語とは無関係です。「もてなす」という重要語の連用形「もてなし」がイ音便になったものです。「もてなす」は「振る舞う」という意味です。

さあ、これをつなげげみます。

「菊君は、娘からのお返事がたいそう気になって早く受け取って読みたい気持ちなのに、不都合な御前の人の多さを困ったことだとお思いになるので、眠たそうに振る舞いなさって」

④⑤の選択肢のひどさが際立っていますね。笑

次いでひどいのが③です。

返事がなかなか来ないので直接乗り込んでやろう、なんてどこから読みとれますか?

①は蔵人が菊君の御前から離れない理由が間違っています。確かに前の段落で菊君のことを警戒しているかのようなことは書かれていました。

しかし、ここでは「つれづれにおはしまさむ」(=菊君は退屈でいらっしゃるだろう)と思い、話し相手をするために側仕えしているのだ、と傍線の1行前に書かれていますのでそれに従ってください。

行動などの理由を問う問題は「已然形+ば」に代表される、「~ので」が書かれている箇所を探してください。

今回は直前にあるので、探すも何も・・・、って感じです。

②はいいですね。密かに送った手紙の返事を受け取ろうというのに、周囲に人がいては困るわけです。


問5 和歌の説明問題。(8点)

X・Yの和歌に関する説明として最も適当なものを、次の①~⑤のうちから一つ選べ。

X(菊君が娘に送った和歌)
露かかる心もはかなたそかれにほの見し宿の花の夕顔

Y(娘の母である尼君から菊君への返歌)
世をそむく葎の宿のあやしきに見しやいかなる花の夕顔

①Xの歌の「露」は、菊君の恋がはかないものであることを表している。Yの歌は、そんな頼りない気持ちであるならば、一時の感傷に過ぎないのだろう、と切り返している。
②Xの歌の「心」は、老尼の娘に恋する菊君の心情を指している。Yの歌は、恋は仏道修行の妨げになるので、残念ながらあなたの気持ちには応えられない、と切り返している。
③Xの歌の「たそかれ」は、菊君が老尼の娘を見初めた夕暮れ時を指している。Yの歌は、夕暮れ時は怪しいことが起こるので、何かに惑わされたのだろう、と切り返している。
④Xの歌の「宿」は、菊君が垣間見た女性のいる家を指している。Yの歌は、ここは尼の住む粗末な家であり、あなたの恋の相手となるような女性はいない、と切り返している。
⑤Xの歌の「夕顔」は、菊君が垣間見た女性を表している。Yの歌は、この家に若い女性は何人かいるので、いったい誰のことを指しているのか分からない、と切り返している。

和歌の問題は難易度が高い、または苦手な受験生が多いので配点も高いですね。

和歌に詠み込まれる内容というのは、前後の地の文に書かれていることが普通です。その内容をいかにオシャレな和歌に仕上げるか、ということになるわけです。

今回ポイントになるのはYの歌です。Xは無視してYだけを見て消去法で答えを出すのが良いでしょう。

Yは歌の直前に、

すべてかかる御消息伝へうけたまはる人も侍らず」という老尼の言葉が出ています。「決してこのようなお手紙を頂くような人もおりません」という意味です。

つまり、菊君の手紙は娘には届いておらず(または届かないことにしてある)、この家にそのような妙齢の女性はいないんだ、ということにして逃げるつもりであることを理解しておけば、それだけのことです。

①・・・「そんな頼りない気持ちであるならば、一時の感傷に過ぎないのだろう」では、菊君が本気ならば考えます、ということになってしまいます。

②・・・「恋は仏道修行の妨げになるので」は、菊君を拒絶する理由を述べていますが、上述の通り、「そもそも娘などいない」ということにして振り切るつもりなので見当違いです。

③・・・「夕暮れ時は怪しいことが起こるので」は「あやし」の意味が違います。この単語は問1(ウ)で紹介しました。それに、Yの歌の「葎の宿のあやしきに」は「宿=家」が「あやし」だと言っているのです。「あやし」の意味は「卑しく粗末だ」ということです。

⑤・・・「この家に若い女性は何人かいるので」が違います。だから、若い女性はいない、という設定にして逃げ切るつもりなんだってば!

ということで正解は④です。


問6 内容一致問題。(8点)

この文章の登場人物に関する説明として最も適当なものを、次の①~⑤のうちから一つ選べ。

①童は、菊君から隣家にいる女性たちの素性を問われ、蔵人のきょうだいの老尼とその娘であることを伝えつつ、娘は気位が高いので出家したのだろうとも言った。菊君から使いに行くように頼まれた時も、その真意をはかりかねたが、何かわけがあるのだろうと察して、引き受けた。

②菊君は、夕暮れ時に隣家の母娘の姿を垣間見、まだ二十歳くらいの娘までも出家姿であることに驚いて興味を持ち、恋心を抱いた。出家した女性を恋い慕うことに対して罪の意識を強く感じたが、本心からの恋であるならそれも許されるだろうと考えて、娘に手紙を送ることにした。

③蔵人は、来訪した菊君に対して精一杯のもてなしをしようとつとめながらも、連絡もなくやって来たことには不満を感じていた。わざわざ用意した食事にも手を付けない菊君の態度を目にしてますます不快に思ったが、他人の気持ちを汲み取ることができない菊君をあわれだと思った

④老尼は、ふだんは山里に住んでいるが、娘を連れて久しぶりにきょうだいの蔵人をたずね、そのまま蔵人の隣家に滞在して仏に花をささげるなどしていた。その折、ちょっとした用事で蔵人のところにやって来た菊君に娘の姿を見られてしまったので、蔵人に間の悪さを責められた

⑤老尼の娘は、二十歳くらいとたいそう年は若いが、高貴な身分から落ちぶれたことによってすっかりこの世を厭い、母の老尼と同様にすでに出家も果たしている。その後、仏に仕える日々を蔵人の屋敷で静かに送っていたが、菊君から歌を送られたことで心を乱し、眠れなくなった

最もトンチンカンな選択肢は③です。

たしかに、菊君は突然やってきたと書かれていますし、果物(お菓子/つまみ)を出したが菊君は目もくれなかった、という記述はあります。しかし、「それを不快に感じた」はどこにもありません。ちなみに、その果物の記述のすぐ後に「あはれなる人を見つるものかな」とありますが、これは問3の説明にも書いた通り、菊君の心境で「あはれなる人=しみじみかわいい人=娘」です。「菊君をあわれだと思った」というのはまったく違います。

次に論外なのは②です。確かに出家した女性への恋というのは常識的にもちょっとないわけですが、罪悪感を「強く」感じているとはどこにも書いてありません。「本気の恋なら問題ない」というのもどこにも書いてありません。

④⑤は細かいところです。

まず④ですが、第3段落で、菊君が童に隣家のことを尋ねるシーンがあります。そこで童は、

「この数ヶ月、山里に住んでいたのですが、最近ちょっとここに出て来て、(そんな時に)菊君がこうして突然お出でになったのは間が悪い、といって主は非常に不機嫌です」

と言っています。つまり、蔵人はブツクサ文句は言っていますが、老尼を責めたわけではありません。

⑤は娘が出家した理由が違います。高貴だったのが落ちぶれてしまって出家、というのがおかしいです。3段落に娘のことは「身のほどよりはいやしげなくて」と書かれています。これは「身分の割には卑しさがなくて」ということなので、元の身分が低いのに、人品はなかなかのものだ、ということですから、「元々は高貴だった」というのがおかしいですね。

ということで、傷がないのは①ということになります。


この文章は『源氏物語』の「夕顔」巻にインスパイアされて書いているのでしょう。

身分の低い女性が夕顔の花咲く粗末な屋敷に住んでいる、という設定が「夕顔」そのままです。

総じて、内容理解も文法問題も極めて平易でした。

ぜひ高得点を取りたい問題ですね。

 

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