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Fairy Melody ~私はピアノ~

5/13[土]松原夏海ちゃん主演の舞台「Fairy Melody~私はピアノ~」を観劇してきました。

チラシをよく見ると、ピアノの下に戦闘機(零戦?)が描かれていますね。
というわけで、今回のお話は戦争をテーマにしたものでした。
劇場は日暮里。
安定のマチソワなので、お昼ごろ日暮里に到着し、まずは食べログで検索した美味しそうなラーメン屋さんへGO。
GoogleMapを頼りにして歩いたにも関わらず迷うの巻。笑
雨の中行ったり来たりしつつ路地裏にひっそりと佇むお店に到着。
「酒麺処 ぶらり」というお店の鶏白湯らーめんを食べました。
美味しかったです。ねぎも新鮮でした。
緑色の食材は何だったんだろう?
食べる前は茎わかめかと思ったのですが茎わかめよりもパリパリした食感だったような。
さ、美味しいラーメンの後は生憎の雨の中を歩いて劇場へ。

d-倉庫という劇場ですが、実は5~6年前に「ルームシェア」というお芝居を観に来たことがあります。
住宅街の中にある小さな芝居小屋です。
雨だったので少し早めに開場してくれて、まずはお花の確認。

大きな黄色いユリとヒマワリを中心としたスタンドフラワーでした。
存在感バッチリ(^∀^)
うちの後援会でずっとお願いしているのは「リラ」というお花屋さんです。
最近はもっぱら予算内でデザインも花材もお任せにしています。
今後ともよろしくお願いします。
さて、今回のあらすじですが、公式ホームページを参考にしながらまとめると。

同棲中の彼氏とケンカして田舎へ戻った明日香は、春樹という青年と出会う。春樹は外見こそ若いが服装は昭和初期で、祖母・八重の許嫁だと言う。八重と再会するために戻ってきたという春樹だが、祖母と許嫁だというのもおかしな話。色々と不審に思う明日香だったが、春樹とともに閉校になった小学校の音楽室へ向かうことに。そこで明日香が目にしたのは、太平洋戦争で命を落とした人たちの霊だった。実は春樹もその霊の一人だったのだ。彼等が今を生きる明日香たちに伝えたかった思いとはいったい・・・?

戦争をテーマにした舞台は2度目ですね。
前回は3年前の「シンプー」でした。
シンプーはうつみ宮土理や東てる美なども出演していた割と大がかりな舞台。
それに比べると今回は小規模な舞台で、もちろんテイストもまったく異なります。
反戦、という点は共通しますが。
さて、キャスティングです。

【現代】
日向明日香…松原夏海(神と見紛うばかりに美しき女性。里見亮太という学習塾の講師と同棲している)
里見亮太…山田貴之(明日香の恋人。冴えない[?]学習塾の講師)
日向洋平…大越陽(明日香の父親。ジャーナリストで日々戦地を取材している)
日向倫人…西村守正(洋平の弟。憲吾・紗綾子という兄妹の父。嫌韓のケがある)
日向憲吾…塩田貞治(明日香の従弟。韓国人の姜智苑と両思い。歴史を研究している)
日向紗綾子…加藤美帆(明日香の従妹。憲吾とともに先の大戦の歴史を研究している)
姜智苑…佐藤詩音(韓国人の大学生。日韓の歴史に興味を持ち、憲吾に惹かれている)
桜庭祐樹…堺谷展之(紗綾子に秘めた恋心を抱き、歴史研究の手伝いをしている)
桜庭凛…瀬戸沙織(祐樹の義妹。兄に付き添う形で歴史研究を手伝っている)
【高度経済成長期】
日向幸三…長紀榮(洋平・倫人の父。幼い頃から病弱で、息子たちが幼い頃に他界)
日向淑子…月桃さちこ(幸三の妻。女手一つで洋平・倫人を立派に育てた)
【戦時中】
三崎八重…春摘らむ(明日香の祖母。里見春樹の許嫁だったが春樹が出征したため結ばれなかった)
里見春樹…中澤隆範(八重と結婚するはずだったが戦死。霊となって明日香の前に現れる)
日向幸作…川嶋健太(春樹の親友、幸三の兄。勇ましい性格だが妹思い。春樹と同じく戦死)
日向花江…成瀬麻紗美(幸作の妹、幸三の姉。兄に甘えている。大戦中の空襲で死亡)
朝永薫…さわはるか(八重・春樹・幸作・花江らの恩師で音楽の先生。大戦中の空襲で死亡)
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ピアノの妖精…memu(小学校のピアノに宿る妖精。薫にしか見えない)

前回の舞台「Singularity Crash」と同じ、息吹肇さんの脚本・演出でした。
この方の書く台本の特徴なのかもしれませんが、前回に引き続き設定が複雑です。
セットや美術が簡素な舞台上で、3つの時代を描くというのは至難の業です。
観ている方は、設定を理解し、進行を把握し、物語を飲み込むのに必死です。笑
芝居も、設定と進行を説明するのにエネルギーをさかざるをえないので、勿体ない気がします。
ナレーションを使って「時は変わって◯◯年前」とやるわけでもないので。
何度も行き来するので、その都度ナレーションが入ったら鬱陶しいですけどね。
ただでさえ複雑な設定なのに人物が多すぎて、人間関係を追いかけるのも大変でした。
勝手なことを言わせていただくと、話をスッキリさせるために以下の役はない方が良いと思いました。
日向幸三・淑子/桜庭祐樹・凛/日向倫人

さて、ストーリーですが、先にも書いたとおり、反戦のメッセージ性の強い作品でした。
クライマックスは戦死した霊たちが音楽室のピアノの前で戦争の悲惨さを語るシーン。 
疑問を感じながら戦地に赴き、神風特攻隊として敵艦に突撃するも迎撃されたと語る春樹、アジア解放の希望に燃えて出征するもビルマでの悲惨な戦闘に絶望と罪悪感に打ちひしがれつつ息絶えたと語る幸作、戦闘機の機銃掃射から必至に逃げ惑う中ついに斃れたと語る花江、出産準備中に爆撃を受けて絶命したと語る薫先生。
このシーンはこみ上げてくるものがありました。 ※この場はかなり長く、動きが少ないのでもうひと工夫できたのでは、とも思いました。
ここがクライマックスなのは明らかでした。
ならば、このシーンをいかに鮮やかに際立たせるか、が勝負なはずです。
そこで邪魔をするのが複雑な設定、複雑な進行です。
シンプルに展開させるのは作者の意向から外れるのかもしれませんが、複雑な設定・進行を観客に理解させるために使われるシーンを大胆に削って、その分、明日香と祖母・八重の物語を描くとか、明日香・亮太・憲吾・紗綾子らの現代の平和な日常をもっと愉快に楽しく描くとか。
逆に、「現代においても受験や企業内において戦いがある」などというのは要らなかったと思います。
ありきたりなのかもしれませんが、「《スイカに塩》理論」はやはり有効だと思うのです。
適量の塩を振りかけることでスイカの甘味が引き立つように、適度に笑いを織り交ぜることでシリアスな要素が引き立つ、ということです。
「シンプー」は笑いの取り入れ方が実に効果的で絶妙で、その分戦争の悲劇が際立ち、作り手のメッセージも観客の胸に強烈に響いてきたわけです。
あ、最後にあと1つ。
明日香の父・洋平は海外の紛争地域を取材しているのですが、軽装すぎ。笑щ(゜ロ゜щ)オマイガッ!
紛争地域でブラウス1枚って、あーた、そりゃダメよ!
 

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